風をきって走りたい

立ちゴケのMC

Balcom Groovy Touring 2013

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窓が無い・・・・
隣、数十センチのところで抜き去って行くトレーラーと僕を隔てるものは、
革の香りが漂う革ジャンとヘルメットだけ・・・・

上を見る・・・
屋根が無い・・・・
空がカラダ全身を包み込む・・・・

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下を見る・・・・
高速道路の小石一つが目に入る・・・・
足を数センチ下ろせば、ブーツと路面がレコードと針になる・・・・・

耳に飛び込んで来るのは、前を走るハーレーの鼓動・・・

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ドドドド!!!サイコーのロックンロールだ

僕の腰の下からは、ハーレーのクロムハーツが右手1ミリの動きで鼓動を変える!!

僕はメットの中で叫んでた!!

免許証を手にするまでの道のり、心配かけたスタッフ、教官の皆さん、
そして追い込まれた自分・・・・
大型自動二輪車の検定試験の合格の瞬間の鼓動・喜び!!

その時には、一つ一つ違う素材で出来ているバイクのパーツが、
ひとつになり動き出したかのように・・・
ディレクター、カメラマン、そして僕も一つになれた!!

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その思いがメットの中で炸裂した!!
何て叫んだかなんて覚えてない・・・
うおーーーー!!
かもしれないし・・・・
やったぞーーーーー!!
かもしれないし・・・・・
とにかく叫んだ!

これから、片道600キロのツーリング。
今まで散々、4輪でドライブをして来た僕でも片道600キロは初めてだ・・・
しかも、ハーレーダビットソン!!

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目的地は石川県片山津温泉
参加するバイクはおよそ100台以上!!

僕の視線の遥か彼方に50台のハーレーが見える・・・・
バックミラーには20台のハーレーが続く・・・・

的確な時間でサービスエリアに立ち寄り、給油、食事、バイク談義・・・

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400キロを過ぎたあたりで、手首にチカラが入り過ぎて痛くなってくる。

すると・・・
後ろから、僕のハーレー師匠が並走して肩の力を抜くようアドバイス!!

ありがたい!!

それにしても、このアイアンホース!!
2000回転からでも、3000回転からでも、
ぶっといトルクでカラダを置き去りにする。

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喜びに酔いしれていた・・・

でも、確かに疲れもあった・・・

 

残り4キロまで走った・・・ちっぽけな自信もあった・・・

それは、最後のサービスエリアの休憩の後起こった・・・・

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後、4キロ!!
頑張りましょう!!
・・・の声でスタートした軍団に遅れをとった僕のハーレーはエンジンがかからない!!

落ち着け!!
そうだ!!
キーが入って無い!!
どこだ?
ポケットだ・・・・

右手でハンドルを放しポケットのキーを探っていた僕のハーレーは・・・・
ゆっくりと・・・倒れてきた。

僕のカラダではどうにも支えられなかった。
ゆっくりとハーレーは、ピストルで撃ち抜かれた駿馬のように倒れた。
このハーレーは。僕を信じて貸してくれた新車の駿馬だ。

オーナーが走り寄って来て・・・
「西田さん大丈夫ですか!?」って叫んでる!! 

目線は、ハーレーなど見ていない。僕をしっかりと見ている!!
こんな男がまだ居るんだ!!
自分の新車のハーレーより、僕のカラダを本当に心配してくれている!
余計に、自分が情けなくなってきた。
せっかくの新車に傷をつけて・・・・
あと4キロ・・・・

俺は、この男に惚れました!!

「バイクは修理できますから。それより西田さんのカラダでしょー!」
嬉しかった!
青春のわすれものは、ここにもあった。

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でもこれが、僕のロングランツーリングの一番のそして・・・・
これからも、絶対忘れる事のない想い出のファースト・ツーリングに刻まれた。

これから、こうやって窓も無い、ドアも無い、屋根もない、
カラダひとつで、信頼関係で助け合うライダー人生が始まる。

ありがとう!!!

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その夜、片山津温泉で120人の、
同じようにバイクを挟んだ友情関係で結ばれたライダーの皆さんと、
年齢も職業も性別も超え楽しい宴会が始まった!!

司会は勿論!!立ちゴケのMC西田篤史!!

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楽しい夜、ありがとう!!

僕のハーレー人生はまだ始まったばかり・・・・・

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Balcom Groovy Touring 2013

西田篤史☆