今年、プロ野球セリーグ３連覇を成し遂げた広島カープ。
その偉業は、バティスタ・フランスアなどの、ドミニカカープアカデミー出身選手の活躍なくしては成しえなかった。

ドミニカカープアカデミーができたのは、１９９０年（平成２年）。
「貧乏球団」のレッテルを貼られ、他球団のような外国人補強やＦＡ選手獲得をできず、ただただ自前の育成のみでチーム強化を行っていたカープが目をつけたのが海外にアカデミーを作ることだった。

ドミニカは、現在、米大リーグ３０球団すべてがアカデミーを運営し、２０１３ＷＢＣでは世界一に輝くなど、野球大国として知られている。ゴールドラッシュが期待されたカープアカデミーだが、創設当初、既にアカデミーを運営していたドジャース担当者に言われたのが、「成功には１０年かかる」という警告だった。
はたして、異国の地で日本の野球に適した選手を育てる苦労は計り知れず、創設から成功の一歩と呼べる段階まで、およそ３０年かかった。

それでも、数々の困難を乗り越えて、ドミニカアカデミー出身選手の活躍で黄金期を迎えたカープ。
ＮＰＢ１２球団で唯一、海外にアカデミーを持つカープの独自戦略と苦難の歴史を現在のドミニカからひもとく。